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ドキドキ☆クラス対抗水泳大会⑨
落ち込んで俯いていた智裕は顔を上げて拓海を見つめた。
「さっき見学の女子たちが智裕くんのこと、カッコいいとか惚れるとか言ってたんだよね……。」
「マジで⁉︎俺そんなの全然聞こえてない!江川っちばかりキャーキャー言われてたのに!」
「………キャーキャー、言われたいの?」
「いや…まぁ……ちょっとは?エースだし…身体も鍛えてるし、さ。」
「俺は、すごい嫌だった……っ!」
「え。」
瞬間に拓海は智裕に飛びついた。その勢いで智裕はまさかの拓海に押し倒されてしまっていた。
智裕が見上げると、拓海はまたフルフルと震えて半泣き状態だった。
「だって……智裕くんがカッコいいの、知ってていいのは俺だけだもん。」
拗ねたように拓海は本音をぶつけると、そのまま智裕に深いキスを仕掛けた。
(何これ、何のサプライズ⁉︎拓海さんが、俺を襲ってる⁉︎)
キスをしながら智裕は拓海ごと上半身を起こす。
そしてようやく解放されると、拓海は智裕の首に顔を埋める。
「やだ……俺……こんな気持ち……重いよね?ごめんね…。」
「いや……ちょっと俺…嬉しすぎて……心臓やばい。」
ドギマギとした様子で智裕がそう言うと、拓海は智裕の左心房に耳を当てる。
「…本当だ……ドキドキ、してるね。」
「拓海さん!俺、今すっげー我慢してるから!これ以上可愛いことしないでっ!」
「へ?」
不意に向けられた拓海の上目遣いで、智裕の糸が切れた。
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