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県大会決勝戦④
四高の体育館はわき上がった。直倫が振った瞬間に金属バットの快音が鳴る。
『初球を打った!引っ張られた球は伸びて、レフト追いかける、追いかけるが、入ったーーー!第四高校、先頭打者、赤松直倫が先制点となるホームラン打ちました!今ダイヤモンドを一周します!打たれた聖斎の赤松直能はレフトスタンドを見つめています。』
入った瞬間、その場にいる全員が立ち上がって喜んだ。興奮していた。割れんばかりの拍手が鳴り響いた。
「赤松すげーーー!」
「なんだあいつ!ホームラン打てねーって克樹 が言ってたじゃんか!」
「すごい!すごいよ!赤松くんすごい!」
『四高ナインも大喜びですね。あ、ネクストにいる松田選手は怒っているみたいです。』
『おそらくプレッシャーになったのでしょう。あまり打撃が得意な選手ではないのでね。』
普段から直倫を知る2年5組も歓声を上げた。
そんな中立ち上がりはしたが、1人開いた口が塞がらないチビがいた。
「ああああああ……う、っちゃ…ったあああああああ⁉︎」
「あ?大竹、何言ってんだ?」
「あれホームラン⁉︎赤松が⁉︎打っちゃった⁉︎」
「どー見ても赤松しか打ってねーだろ。見ろ、あの映像を。」
「すごいね赤松くん。普段すごいクールなのに…よっぽど嬉しかったんだろうね。」
ホームベースを踏んでダグアウトに帰ってきた直倫は、感情を爆発させるように激しく部員とハイタッチをし「ヨッシャー!」と叫んでいた。
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