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勝利の報酬②
落ち着いた頃に部室を出たら、外は太陽が沈もうとして薄暗くなりかけていた。智裕は野村と一緒に直倫をバンザイで祝った。
「良かったなあぁ!赤松!お前は男だ!」
「うんうん。ホームラン打ちたいっていう理由はこれだったんだね。いいよ、すごく青春!」
「俺もそういうカッチョいいことやってみてぇよ!」
「ありがとうございます……けど、俺どうすればいいですか?」
「あ?」
1番喜ぶはずの当人は何故か戸惑っていた。
「裕也先輩って義理堅いところあるから、それで無理してる、とか…だったらどうしようかと。」
「あー……それは経験者がそこにいらっしゃる。」
「ん?」
野村は智裕を引っ張り「話してやれよ」な空気を出してきた。直倫は少々驚いた顔をする。1番驚いているのは智裕だった。
「経験者⁉︎なんの⁉︎」
「不純同性交遊及びノリで付き合ってる進行形。」
「ふ、不純⁉︎俺は清きお付き合いをだなぁ。」
「もう童貞捨てたんでしょ?」
「ぐぬぬ……。」
「あの……話が見えないんですけど……?」
「赤松くん知らない?松田くんの付き合ってる人。保健室の石蕗 先生だよ。」
「………本当ですか。」
智裕は直倫のリアクションに意外だと驚いた。
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