354 / 1000

アカマツくんの想い②

 俺は入学式の日に、学校に行く道が分からずこの公園で立ち往生していました。  威圧的に見えたのでしょうか、声をかけても無視されて途方に暮れていたら、後ろから声をかけられました。 「その制服、四高だろ?何してんの?」 「えっと…。」  俺のネクタイを見た裕也先輩は呆れたように笑いました。 「あー、1年か!なんだ、迷子になったのか。」 「はい……あの、四高の人ですか?」 「おう。今日は入学式で2年は休みだけど、しゃーねーから連れてってやるよ。」  道中、裕也先輩が高校のことを色々教えてくれました。  今後俺が道に迷わないようにと色んな目印を教えてくれました。 「つーか嫌味か、背ぇ高くてイケメンで方向音痴とか。女子にモテようとしてんだろ。」 「え……あの…すいません。」 「え、マジで返すなよ。あ、ちょっと待ってろ!」  もう目の前が学校というところで裕也先輩は俺を制止して、自販機にお金を入れてました。 「ほい、入学祝いだ。」  そうして手渡されたのはミニペットボトルの炭酸飲料でした。 「これ俺が超ハマってるやつ。めちゃうまだからリラックス出来るぜ。」  その時の笑顔がとてもキラキラと輝いていて、俺は一瞬で恋に落ちました。

ともだちにシェアしよう!