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アカマツくんの想い⑥
「これ、で…いいよなっ!直倫!」
「…………はいっ!」
「よし!解散!さっさと離れろ!暑苦しい!」
裕也は思い切り直倫を突き飛ばして抱擁から逃げた。
だけど直倫が笑うと、裕也も顔がほころんだ。
「やっぱお前変な奴だな。」
「先輩の前でだけです、変な奴になってしまうのは。」
「いや、なんか一起 と同じで真面目キャラなんだけどな。」
「キャラじゃなくて至って真面目ですけどね。」
「あっそう。じゃ、今日はお疲れ。ゆっくり休んで甲子園も頑張れよ。」
自然な流れで裕也は帰ろうと直倫に背を向けた。
だがすぐに後ろから抱きしめられてそれを止められた。
「先輩……今から俺んチ行きましょう。」
「…………は?いやいやいや、俺完全に部屋着だし手ぶらだし、ビーサンだし。」
「着替えなら貸しますよ。少し小さいやつもあるので。」
「喧嘩売ってんのか。」
「俺……すっごい待ってたんですから………もう我慢出来ません。」
裕也の細い腰は直倫の力強い腕で更に引き寄せられる。
そして裕也の腰にぴったりと硬いモノが当たった。それに裕也は驚愕して固まる。
恐る恐ると直倫に目を向けたら、今まで見たことのない優しくも淫靡を含んだ表情だった。
そして裕也は抵抗を止めた。
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