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アカマツくんの家①

 川沿いを歩いて10分くらいすると最近建ったオートロックのマンションが見えて、直倫について行くだけの裕也はそのマンションの前に佇んでいた。 「お前独り暮らし……だよな?」 「はい。」 「え、ここ?」 「はい。ここの最上階です。」 「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11ぃ⁉︎」 「あ、でも親族割引みたいな感じで安く住まわせてもらってます。」  裕也はキョロキョロと見渡すと、入り口近くの看板が目に入る。  _入居者募集中 (株)アカマツハウジング 「あ、アカマツ……アカマツぅ⁉︎」 「はい。」 「いやいやお前じゃなくて!これ!看板!」 「あぁ…ここの会長が俺の祖父なんです。」 「祖父が会長ぉ⁉︎え、もしかして…お前の父ちゃん…え。」 「いや、俺の父は弁護士なので社長は叔父です。」 「どっちにしたってボンボンかよ!いや、兄弟2人とも聖斎学園だし結局ボンボンか。」 「早く入りましょう。」  指紋認証でロックを解除して重そうな自動ドアが開いた。その向こうには高級ホテルのようなエントランスが広がっていた。裕也は開いた口が塞がらない。

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