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アカマツくんの家③
直倫がまた照明のスイッチを押すと、リビングダイニング、キッチンの全貌が明らかになる。
「すげ!めっちゃ広っ!え、ここで独り暮らし⁉︎」
「はい……そうですけど…独り暮らしってこんなものじゃないですか?」
「いやいやいや…ここマジで俺んチのリビングより広いって。テレビでっか!」
裕也は無邪気にお部屋探訪を始めた。
明らかにファミリー向けの物件なのでアイランドキッチンで冷蔵庫もオーブンレンジもかなり大きい最新型だった。
ダイニングテーブルは4人がけだが大きさ的には6人いけるサイズだった。
そしてL字方の大きなソファに高級そうなガラスのローテーブル、テレビも大型量販店でしか見たことのないようなサイズだった。
収納用クローゼットの前にはバットなどの野球用具がきちんと整理されて置かれていた。
「洗濯とかお前がしてんの?」
「はい。」
「掃除とか料理もすんの?」
「一通りは。母が心配して2ヶ月に1回ハウスクリーニングを入れてくれますが。」
「………ここモデルルームか?」
「いや、俺の家ですけど。ソファに適当に掛けてください。俺、シャワー浴びますから。あ、飲み物も勝手に飲んでください。」
「お、おう。」
直倫はスポーツバッグから汚れた衣服を取り出して、リビングを出ていった。
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