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ホシノ先生のアドバイス③

 俺は普通の家庭に生まれて育って、少し女の子に間違われるけど、本当に普通の男の子でした。  父親が教師をやっていたのでその背中に憧れてました。  そして養護教諭になりたくて大学にも進学し、順風満帆な生活でした。  大学2年の時、ゼミの飲み会でとても素敵な女性に出会いました。  彼女は4年生でその時は既に就職先も内定していて、当時の俺にとっては手の届かない憧れだったんです。  それまで恋愛なんてマトモにしたことのなかった俺はすぐに憧れを諦めました。  しかし彼女の方から話しかけてくれるようになりました。 「石蕗くんって本当に綺麗だね。」  平々凡々だと思っていた自分はそんなことを言う彼女が不思議でした。  それから接していく内に男女の仲になるのは自然なことでした。  俺は大学生で彼女は会社員で、互いに忙しいながらも楽しく一緒に過ごしていた時でした。  飲酒運転の車に激突されて俺は生死を彷徨いました。奇跡的に回復しましたが、大学は卒業間近で休学、復学にはかなりの時間がかかりました。  彼女も忙しいのに献身的に看病してくれました。  ある日、彼女の方から「結婚しよう。」と言ってくれました。俺はまだ学生でいつ卒業出来るのかもわからない状況だったのに。  だけど俺は彼女を信じてその提案を承諾しました。俺も彼女と一緒にずっとに暮らしたいと思っていたからです。  それから俺が復学して養護教諭としての就職活動をしている最中に、彼女の妊娠がわかりました。  わかった時にはすでに6ヶ月だったので、堕ろすことも出来ませんでした。  なので俺は家族のために残りの授業を夜間に切り替えて昼はアルバイトで目一杯働きました。  秋の終わりにまーちゃんが産まれました。俺は幸せ一杯で、彼女も同じだと思ってました。  しかし、まーちゃんが産まれてから2ヶ月経った頃、大学から帰ってくると、部屋には泣いているまーちゃんが1人だけでした。  連絡も途絶えてしまい、警察にも相談しましたが、彼女は見つかりませんでした。  俺は裏切られた、そう思いました。だけど悲しんでいられるはずもなく、まーちゃんを守る為に必死に働きました。大学も卒業して早く安定した生活を、と一杯一杯でした。

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