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ホシノ先生のアドバイス⑧

「でも……その……リードって………その……どうしたら……いいのか……。」 「うーん……。」  拓海は俯き赤くなり、裕紀はそんな拓海を見つめながらワインを飲むと腕時計で時刻を確認した。そのタイミングでドルチェのプレートが運ばれてくる。  メインはマスカルポーネチーズのアイスで、その白に拓海は益々恥ずかしくなってきた。 「石蕗先生。」 「はい?」 「はい、あーん。」 「あー……ん。」  流されるがまま裕紀が差し出したデザートスプーンを口にした。 「あれ?緊張しないんですか?」 「んー……ん?あんまりしなかったです。」 「………じゃあこれが松田だったらどうですか?」 「………はわぁああ…っ!」  言われた通りに想像してみたら急に恥ずかしくなる。 「ほんと…石蕗先生って……くくく…。」 「うぅ……やっぱり星野先生は意地悪ですっ!」 「ごめんなさい、ほんと……それ食べたら出ましょう。色々準備しなきゃいけないですよね?」 「あ、ケーキはここのお持ち帰りにしようかと思ってるので。」 「あー違う違う。ここから車で10分のところにド●キあるんで。」 「………ふええぇぇぇっ!」

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