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恋人になった夜②(※)

「びっくりしたぁ……普通に起こせよぉ。」 「先輩、俺、言いましたよね?」 「え、何か言った…っておわぁ⁉︎」  裕也はまた心地よいベッドに沈んだ。  だが視界に入っているのは真白な天井ではなく、完全に雄の目をした直倫だった。 「どれだけ煽れば気が済むんですか?俺、我慢出来ないんですよ。」 「えっと……な、直倫……そのぉ…これは、その……。」 「もう、観念して下さい。」  直倫は紳士的な言葉に色を含ませて、まずはうるさく(わめ)く裕也の口をディープキスで塞いだ。  裕也は足をバタバタさせるが、それも虚しい抵抗だった。逃げようとしても追いかけ追いつかれ、絡め取られる。舌も、手の指も。  たまたま裕也の膝に掠ったのは、布越しで興奮しきって膨張した直倫の自身だった。  その感触で、裕也は本当に抵抗が無駄だと悟った。 (熱い……なんだよ、これぇ……舌がぁ……こいつ、童貞じゃねーのかよ……。) 「ん、んん……あ、ふぁ……っ。」  チュ、クチュ、といやらしい音をたてながら直倫は裕也の口内を蹂躙する。 「先輩、目がトロトロです…。」 「はぁ、あ…おまえ……がぁ…。」 「想像以上です……先輩。」 「え、あぁっ!」  裕也の耳の裏から首筋へと小さくキスを降らせると、裕也の顔は更に熱くなる。 「ひゃあんっ!……っ!」  鎖骨の近くは普段から裕也の弱点だった。  指で触れられるだけでもくすぐったく身をよじる程なのに、そこにキスで刺激をされると思わず声も出てしまう。気がついた裕也は慌てて口を紡ぐ。

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