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マツダくんへのご褒美①
「あと……30分。」
智裕 は悶々と自室をウロウロしていた。夕
飯も腹八分に控えて、トイレに行ったあとにもう1回シャワーを浴びて体の隅々を清潔にした。
服装もどうしようか迷ったが、家族には「今日は大竹 んチに泊まるから。」と嘘を付いているので洒落た格好で行ったら不思議がられてしまうので、最近買ったTシャツとハーフパンツに決めた。それもスマホのセルフィーモードで映して変じゃ無いかどうか度々入念にチェックする。
(ご褒美って、そういうことだよな。もう1週間オナ禁してるしやべーかもしんねー。つーか俺って試合でアドレナリン?出過ぎて持て余してるから1回じゃおわんねーかも。でもそれじゃ拓海さんに負担かけちまうし、今1発抜いとくか……いやいやもうシャワー浴びる時間ねーし。つーか茉莉 ちゃんと親父が寝てるから起こせないし、何で智之 とオフクロはまだ起きてんだよ!)
「智裕。」
「うわぁああ!」
考え事をしていると突然母が部屋に顔を出してきたものだから智裕は大袈裟に驚いてしまった。
「何よそんな驚いて。」
「ノックしろよ!」
「うるさい黙りな。裕也 くんの家、行くなら早く行きなさいよ。あんまり遅くに出入りしたらご迷惑でしょう。」
「大竹が9時に来いって言ったからいいんだよ。」
「あっそ。お家の方によろしく伝えておいてね。」
ドアを閉められると、智裕は一旦胸を撫で下ろした。
「はぁ。」と息を吐いて、吸って、吐いて。スマホで時刻を確認すれば、20時55分になっていた。
「うわああああ……あ、あと5分…っ。」
期待だけでもう智裕は興奮しきっていた。
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