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マツダくんへのご褒美②
時計の針は9時を示した。
智裕は家を出て、10歩くらいで移動した先のドアの前に立つ。唾を飲み込んで、インターホンを鳴らした。
チリン、チリン
なぜかドアの向こうから鈴の音が近づいてくる。
「と、智裕くん?」
「うん。」
「ど、どうぞ…。」
促されてドアノブを下げて鉄製の扉を開ける。
玄関に待ち構えていたのは、女の子みたいに内股で座り込んでいる猫耳尻尾付き首に鈴を付けたメイドさんだった。
智裕は一度扉を閉めた。
そして表札を確認した。
もう一度ドアを開けた。
「た…く……たく、拓海、さん?」
「お、おつかれ、さまです……にゃあ?」
智裕は鼻血を噴射して気を失いかけた。
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