421 / 1000

マネージャーの亀裂⑥

「テメーみたいなクソ(アマ)にあの松田(バカ)の命奪う権限なんてねーんだよ……アイツがどんだけ苦しんだかわかんのかよ…あぁ⁉︎」 「な……何よ……。」 「周りがどんだけ絶望したか、アイツがどんだけ追い詰められたか…テメーにはわかんねーだろうな!」  野村は坂口を解放するが、その勢いで坂口は尻餅をついてしまう。  そして坂口は恐怖で涙が溢れた。足も竦んで動けない。 「今は松田だけじゃねぇ、清田と今中先輩は必死に研究して配球を試行錯誤してる、堀先輩と赤松は野手陣を引っ張って守備を盤石にしてる、バッティングだって必死にバットを振ってる!真剣に上を目指してんだよ!人の足引っ張ることしか考えてねぇ奴は邪魔なんだよ!今すぐここから消えろ!」  怒りに任せて野村は怒鳴り散し、もう一度咳をすると水上の方を見た。 「水上くん……監督と清田くんも、松田くんに対して君と同じ気持ちなんだよね?」 「……はい、恐らく…。」 「なら、よか……ったぁ。」  安心した野村は脱力してその場に崩れて倒れた。水上が咄嗟(とっさ)に支えた。 「やめて……やる………堀くん、も……みんな……大嫌い!

ともだちにシェアしよう!