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新たなパートナー③
翌日、野球部の全員が騒ついた。
「急だが、坂口に変わって2年の増田がマネージャーとして入部してきた。」
「増田琉璃 です。皆さんと野村くんの支えになれるように精一杯頑張ります。」
増田をよく知る智裕は何度も目を擦った。
(増田って……あんな可愛かった?いや顔は元々可愛かったけど…あれ?何割り増しかに可愛いぞ?)
「松田ぁ、増田さん可愛いからって見とれてんなよー。」
ボーッとしていたら後ろから3年の桑原 にど突かれた。
「痛いっすよー。」と反論しながら増田の方を見ると、野村と楽しく話していた。
「野村も可愛い子捕まえたじゃん。」
「いや、あの2人ただのクラスメートだし。」
「ほんとお前鈍いな。」
バシッ
「清田!ちょ、ミットで叩くの無しだろ!」
そして増田もそんな智裕の姿を見つめていた。
「野村くん、野球に魔法ってあるのかな。」
「んー……松田くん限定であるかもね。増田さん、ランニング後のドリンク用意お願い出来るかな。」
「はい。」
「わかんなくなったら俺は監督の横で計測してるから遠慮なく声かけてね。」
「りょーかいです!」
増田は2つのクーラーボックスを提げて、野村はストップウォッチとバインダーを持ってそれぞれの持ち場についた。
「野村、増田……頼んだぞ。」
ランニングスタートの位置についた堀は小さく呟いて笑った。
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