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野球部閑話【アカマツ兄弟の見分け方】③

 そんな3人のやり取りに清田も参戦してきた。 「赤松、兄貴とのツーショットとかないの?」 「え……あ…ると……あ、中学の卒業式のが。」  直倫はスマホをカバンから出して画像フォルダを開き、写真を探した。 「あ、ありました。」  直倫が見せるスマホの画面を他の部員たちもわらわらと集まり見た。 「………メンズノ●ノ?」 「同じ人間が制服違うだけの図なんだけど。」 「ほんと…これ知らねー人間が見たらドッペルゲンガーか何かと思うよな。」 「あ、あと兄の第一人称は“僕”ですね。物腰もとても柔らかで優しいし、俺なんかより聡明です。そういう雰囲気とかで見分けられると思いますが…。」  直倫の言葉で部員たちはじーっと直倫を観察する。 「物腰やわらか…。」 _あの、お先に失礼しますね。 「優しい……。」 _重いですよね?俺が持ちますよ。 「聡明……。」 _おい聞いたか!期末また赤松が1位だってよ!  野球部全員の気持ちが一致した。 (お前もだよ!)  結局、現在の赤松兄弟の見分けは髪型と服装でしかつかないんだということがわかった。

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