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運命の抽選会①
野球部は全員視聴覚室に集合して、スクリーンに映し出された夏の甲子園全国大会組み合わせ抽選会のネット中継を固唾を飲んで見守っていた。
『神奈川県代表、神奈川県立第四総合高等学校。』
アナウンスされて壇上に上がったのは主将 の堀 だった。
真ん中に置かれた白い箱に手を入れて、くじを引くと後ろにいたスタッフに渡す。
『神奈川県立第四総合高等学校、13番。』
学校名の書かれた札が貼られると、その場にいた全員が一瞬だけ緊張を解いたため息を吐いた。
「うわー、2日目かよー!しかもこれ夕方じゃん!」
「うえええぇえ……地味に嫌な時間だなおい。」
「えっと、2日目の第3試合かー……まだ相手は決まんねーな。」
「ここで大阪の馬橋 とかきたらやべーな。」
「馬橋」というワードが出ると、笑うしかなかった。
「いやいや聖斎よりガチでやべーっしょ。なぁ、松田 !」
3年の白崎が隣にいた智裕 の肩を組んで笑うと智裕も笑った。
「うんガチでやべーっすよ。当たったら奇跡の初戦公開処刑ですよー。あはははは。」
『馬橋学院高等学校、14番。』
智裕たちの時間が止まった。映像の向こう側は一気に騒がしくなった。
無数のフラッシュやカメラが向けている先にいるのは、隣同士で並んでいる堀と馬橋の主将・金子 だった。
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