441 / 1000
いざ、馬橋学院へ⑦
「四高のみなさん、遠いところお疲れ様です。僕が馬橋の主将 の金子雅嗣 です。何か不便があったら遠慮せず言ってくださいね。」
「こちらこそお世話になります。挨拶!」
宜しくお願いします!
四高も全員一礼して挨拶をした。
「森先生は職員宿舎に部屋を用意してますんで、私が案内しましょ。金子、あとは頼んだでー。」
監督たちは別の場所へ移動した。その方向に向かって両校の部員は頭を下げて「お疲れ様です!」と挨拶した。
「マネージャーさんは飯田 、頼んだで。」
「はい。」
金子に呼ばれて出てきたのは練習着でなく、Tシャツにハーフパンツを着た眼鏡の細身の男子生徒だった。
野村と増田は堀に促されてその飯田という人物の近くに寄った。
「馬橋学院野球部マネージャー、1年の飯田です。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。マネージャの野村克樹 、2年です。」
「マネージャーの増田琉璃 です。」
「野村さんは四高の選手たちと同じ建物 ですけど、増田さんは向こうに女子寮あるんでそちらまでお願いします。」
「はい……。」
「女子マネージャーが2人おるんで、詳しいことは彼女らに聞いて下さい。」
「えっと、わかりました。」
飯田はニコリと笑ったが、目は笑っていなかった。
むしろ野村に向ける視線がバチバチとしていて増田は1歩下がった。
(だ、大丈夫かな……。)
「の、野村くん、またあとで、ね?」
「うん、いってらっしゃい。」
増田は逃げるように飯田の教えてくれた方向へ早歩きで行った。
ロード中
ロード中
ともだちにシェアしよう!