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新たな同士たち①
増田は四高野球部で唯一の女子生徒だった。
大会期間中に宿泊する部屋は、四高の男子たちとは離れて馬橋の女子寮に案内された。
緊張した面持ちでその建物に向かうと、入り口で馬橋学院のジャージを着た女子生徒が2人、増田を待ち構えていた。
「あ、来た来た。こっちやで。」
「は、はーい。」
手招きされた増田は小走りで2人の元へ向かった。
「神奈川からご苦労さん。遠かったやろ?」
「いえ……遠せ……旅行によく行くので慣れてます。」
増田は笑顔で労いに答えた。そして背の高い黒髪長いのポニーテールの女子が自己紹介を始める。
「ようこそ馬橋学院へ。私は3年で野球部マネージャー長の外薗 杏果 です。」
「あ、よろしくお願いします。」
差し出された手を握って握手をする。
そしてもう1人のセミロングのパーマのかかった小柄な女子も自己紹介をする。
「私は1年の飯田 梨々子 言います。ウチの弟にはもう会 うた?」
「弟、ですか?」
「男子の方におったやろ、いけ好かん眼鏡のヒョロガリ。」
「あー、男子マネージャーの眼鏡くん?」
「あれ私の双子の弟なんよ。仲良ぉしてなぁ。」
「はい、よろしくお願いします。私は四高2年の増田琉璃って言います。」
増田も自己紹介をして頭を下げる。外薗が案内をして女子寮の中に入った。
先程見かけた男子寮とは違い、とても静かだった。
「今はみんな夏休みで実家帰ってるから、私とリリコだけしかおらんのよ。」
「え?じゃあマネージャーも2人だけなんですか?」
「マネージャーはあと3人おるけどみんな自宅通いよ。」
「へー。」
説明されながら増田は外薗のあとをついて歩く。
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