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賑やかな食堂④

 一方、八良が真剣に金谷に説教しだして不穏な空気になっている智裕たちのテーブル。  智裕は1人で震え上がっていた。   (なにこれ、え、マジで雰囲気最悪なんだけど!帰りたい!)  ガチガチと顔を青くしていたら、八良は椅子の上に立って挙手をする。 「はい!今からWマツダで乳首ドリルしまーす!」 「何なんですか乳首ドリルってえぇぇぇ!」 「準備するから、トモちん早よ飯食べ。」  八良は既に夕飯を平らげていた。八良に(うなが)された智裕は急いで夕飯をかき込んだ。白飯の山もどうにか攻略すると胃がもたれてくる。  うつ伏せになってお腹を落ち着かせていると、何処かに行ってた八良が戻ってきた。  その手には黒い棒、そして何故かオカッパヘアーのカツラを被っていた。 「(はたけ)、まずトモちんに手本見せたろうや。」 「やったろうやないか。」  清田たちと固まっていた畠は立ち上がり、八良の近くまで駆け寄った。  すると馬橋の部員たちは拍手をして盛り上がり始める。 「あ、これ知ってる。テレビで見たことあるよ。」 「マジ⁉︎乳首ドリルとか言ってたけど。」 「確か新喜劇の名物ギャグだよね?ほら夜中とか新喜劇やってるしたまに見ちゃうんだよね。」  近くにいた野村は智裕にその存在を教えた。  しかし智裕は全く未知のものでとりあえず馬橋のバッテリーを見守ることにした。

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