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マツダくんの悪癖①

 四高は旧学生寮に引き上げ、馬橋も10時消灯なので各自部屋へ戻っていく。  同室の八良と中川はいつものように中川が床で風呂上がりに筋トレをし、八良は2段ベッドの上段で右手で握力強化を左手でスマホをいじってた。 「なぁ、シュンちゃん。」 「あ?」 「筋トレ終わった?」 「あー……っと、10回。」  腕立てをしていた中川は嫌な予感がしながらも腕立てを終わらせて八良のいる方を見上げた。 「何や?」  中川が嫌そうに(たず)ねると、八良はニコニコしながらベッドの下段に移動した。  中川は予感が的中して手元にあったスマホを取り、部屋を出ようとする。しかし八良が後ろからガッチリと確保して阻まれた。 「イヤや!絶対にイヤや!」 「ええやんか!」 「橋川(はしかわ)にやってもらえ!」 「かなちゅんにはさせらへんからシュンちゃんに頼むんやろ!」 「何でやねん!つーか何でそんな気ィになるんじゃ⁉︎四高の女マネか⁉︎」 「ちゃう!トモちんや!」 「…………はぁ、ってオイ⁉︎」  まさかの答えで驚きのあまりに力を抜いてしまった一瞬、中川は床に押し倒され八良に腹上させてしまった。

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