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マツダくんとアカマツくんの夜③

「………すいません、ちょっとトイレ長くなります。」 「お?どうし……だぁぁぁぁぁ⁉︎」  ベッドに座ってダラダラとスマホをイジっていた智裕は驚きのあまりスマホを落として、アワアワと開いた口が塞げなかった。  直倫が断りを入れてきたので腹痛かなにかかと心配して顔をあげたら、直倫のハーフパンツがテントを貼っていて、しかもとんでもない大きさだと一目でわかったからだった。 「あ、あ……あ、赤松くーん……何したの?ま、まさか俺のせい?」 (マッサージ気持ち良すぎて結構声ヤバかったし、でも赤松が俺で発情するわけねーし。) 「そんなわけないじゃないですか。コレです。」 「あ?」  直倫はスマホの画面を智裕に見せた。  送信者は増田で、画像に写っているのは裕也(ユウヤ)拓海(タクミ)茉莉(マツリ)だった。  3人が近所の川で水遊びをしていて、拓海と茉莉はズボンの(すそ)(まく)ってチャプチャプしている様子、そして裕也はびしょ濡れになっていてTシャツを絞っていた。 「え?あ、これさっき宮西がグループで送ってきたぞ。拓海さん可愛いよなぁ、あ、もちろん茉莉ちゃんも可愛いけど!」  智裕にとっては何とも微笑ましい親子の1枚なので、直倫が勃起をしてしまう理由がわからない。 「裕也さん、こんな無防備にこんなに可愛い身体を公共の場で晒して…お仕置きするのでトイレ長くなります。」 「いやいやいや!これ普通だって!宮西辺りに川にドボンされてパンツ一丁になったりすんの毎年恒例なんだって!」  ちなみにその洗礼は智裕もセットだったりする。 「こんな可愛い薄ピンクの乳首見て興奮する野郎が出たらどうするんですか!」 「……ごめん、興奮するのお前だけだから。しかもアイツの乳首薄ピンクでもねーし。とりあえずソレ、ヌくだけにしとけぇ、明日も早いんだから、な?」  何とか智裕が直倫を諌めた。直倫は一旦冷静な顔になって「そうですね。」と呟いてトイレに入った。  智裕はため息を吐くと、水を飲んで落ち着こうとしたが智裕のペットボトルはほぼ空になっていた。 「げ、飲み水って食堂じゃん……まだ9時半前だし行ってくるか。」 (それに……あれ、聞きたくねーし。)  トイレのドアの向こうから直倫の切ない声が漏れていた。  しかも彼のオカズが自分の幼馴染という奇妙な状況に智裕も耐えられなかった。

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