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激闘の日【2回表】⑥

 かっとばせー! とうまっ!  勢いに乗る四高側も応援に熱が入る。  高校最強チームと呼ばれる馬橋学院から先制点をあげるかもしれないという期待が当麻にかかる。  八良は冷静に畠の構えるミットを見定めてクイックモーションで素早く投げた。変化球を見極めた当麻が見送るとボールの判定。 (6番、当麻も赤松と同様にボールを見る目が優れとる…ここは振り遅らせるための、150キロ以上や。清田の盗塁はしゃーない。絶対コイツをアウトにしたんねん。)  畠の思い切った判断に八良も頷いて、1塁にランナーを抱えている状態で精密な豪速球を放った。記録は154キロのストレートがドンピシャにストライクゾーンに入った。  そして畠の読み通りに清田は2塁へ進んだ。 (次が勝負や……打たせていくで!)  今度こそ当麻はバットを振った。 「セカンドぉぉおおお!」  畠の叫びも虚しく打球はセカンドの頭上を超えてバウンドした。3塁の堀はホームに向かって全速力で走り出した。  誰もが四高の1点を確信した。  ズバンッ 「アウト!」  堀はほんの指先の差でアウトになる。何が起こったのかアウトにした畠も理解出来ずにいた。

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