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激闘の日【3回表】①
3回表、四高の攻撃。
8番の川瀬と9番の藤崎は変化球と直球に翻弄され空振り三振。
2打席目になる直倫がバッターボックスに入る。
勢いで三者凡退にしたかった畠と八良だったが、直倫の選球眼と打撃技術は想定以上のレベルだった。
6球目で3ボール2ストライクのフルカウント。あとストライク1つでアウトに出来る。
カンッ
カキンッ
カンッ
カーンッ
フルカウントになってから5球、全てファウルで飛ばされる。投じた様々な球に直倫は食らいついていた。畠もリードが難しくなっていく。
(単打で良しか…でもコイツ出塁させたら厄介やねん。盗塁して一気に得点圏…なんてことになったらハチローさんが崩れてまうかもしれへん…。)
直倫を絶対出塁させまいという強気の選択をした。
八良も納得して、振りかぶって投げた。が、直倫はバットを出さなかった。
「ボール。」
四球で直倫は1塁へ歩いていった。
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