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激闘の日【4回裏】③
『これは、入りました!3番賀村、見逃し三振で2アウトです。そして次は1打席目では三振で終わりました4番の中川です。』
『先ほどは中川選手に対してツーシームを思い切り投げましたからね。中川選手もこれらの変化球を捕らえることが出来るのか、楽しみですね。』
ホームラン ホームラン なっかがわ!
ホームラン ホームラン なっかがわ!
主砲の登場に馬橋の応援は大きくなる。その熱量にグラウンドの選手よりもスタンドで四高を応援しているオーディエンスが気圧されてしまう。
(この人はずっと松田から目を離していなかった。多分下手な作戦は通用しない…なら松田が打者を打ち損じをさせる確実な球種で!)
清田の要求はスプリット。智裕はギラリとミットを見定めて、振りかぶって、しなやかに。白球は真っ直ぐ、そしてガクンと落ちる。更に速い。
だが中川は見極めてスイングしなかった。判定はボール。これは清田の想定内。マスク越しで中川の足元、腕、顔を見上げた。
サイン、構え。120km/h台のシュートボール。中川は合わせた。
サイン、構え。135km/hの落差あるスプリット。中川はまた当てた。
(裏をかくか…それとも……。)
試しにストレートを智裕に要求すると、智裕は首を振った。清田はその否定を呑んだ。
研究に研究を重ねた、中川の苦手なコースに沿うように、ミットをかまえた。
カキーンッ
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