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激闘の日【7回表】④
カキーンッ
「打ったあぁあ!あの5番も打ったぞ!」
「シングルヒットか!」
「いや、セカンド行っとるで!」
清田の打った打球はツーベースヒットになるには少し足りなかった。
直倫や白崎のように俊足というワケでもない清田が全力以上で足を回す。
一起は思わず立ち上がってグラウンドを、清田を見た。ヘッドスライディングして砂埃が舞う。
そして塁審の判定は「セーフ」だった。
わあああぁあああ!
しかし清田はベースを指先につけてうつ伏せになったまま動けずにいた。
塁審、それと馬橋のセカンドの選手が気がついて清田に近寄る。一気に物々しい雰囲気になった。
『ただ今、試合を一時中断しています。再開までしばらくお待ちください。』
ビジョンにも同じような文字が映り、観客は立ち上がったりして2塁に注目する。
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