554 / 1000
激闘の日【7回表】⑥
カキーンッ
当麻の打球はライト方向に大きく打ち上がった。
堀は右足を3塁ベースにかけて、左足を前に出して、ライト方向を見ながら上体を倒している。
パシッ、とボールがグラブに入った、瞬間に堀はスタートした。
鬼気迫る走塁。畠は生還させまいと叫んでいる。
タンッ、と堀の左足がホームベースに触れて、次の打者の白崎はセーフをアピールする
。そして球審の両腕が水平に上がると、駆け抜けながら、いつも冷静で保護者のような堀が叫んだ。
「うっしゃああああ!追いついたぞ清田あぁぁぁああ!」
握りこぶしを天高く上げて、ベンチの部員も歓声をあげる。
得点を入れた事で、聖斎学園の吹奏楽部が迎え入れるように音楽を鳴らす。
そーれ!四高ぉー!
ともだちにシェアしよう!