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激闘の日【試合終了】①

 試合終了のサイレンが鳴ると、球場内からは割れんばかりの拍手と大歓声が選手たちに送られた。  そしてすぐに四高のメンバーはベンチの前に整列し、馬橋のメンバーはホームベースの前に整列した。  校旗掲揚、名門・馬橋学院の旗が浜風になびく。そして校歌斉唱、その中に八良も毅然としていた。  球場を、激闘を終えた選手を、応援をしていた人々を、涙を流す人々を、夕陽が赤く照らした。  その夕陽の下に、一起と裕紀はいなかった。 「う…うぐ……うぅ……。」 「かーずき、もう泣き止めよ。」 「だって……だって……ま、つだ…あんなに、あんな…うぐ……。」  男子トイレの個室に2人で入って、智裕が降板してから泣き止まない一起を裕紀は抱きしめていた。頭を撫でたり、背中をさすったりして、なんとか落ち着かせようとしている。 「それはここで戦う奴らみんな一緒だ。まあ、あの2人は特別っちゃ特別だけど……。」 「わかって、ます…け、ど……うぅ……おれ、は……。」 「次に会った時に、頭ぶん殴って、お疲れって言ってやればいいんだよ。ほら、もう顔あげろ。」  裕紀は一起の顔を持ち上げ、上を向かせる。  ぐちゃぐちゃに真っ赤になったその顔に触れるだけのキスを落とした。 「せんせ……。」 「さ、今日はチキショー会だな。飲むぞー。」 「もう…飲み過ぎ……なんだよ、ばか。」

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