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ノムラくんの警告①

 松田家で夕飯を済ませた拓海と茉莉は自宅に戻っていた。  茉莉をお風呂に入れて、上がって、もう時計は9時を指そうとしていた。 「んーんー。」 「まーちゃん、おねむの時間だねぇ。おやすみーしようか。」  目をこする茉莉をベッドまで運んで、拓海も茉莉の隣で横になる。  茉莉の寝息が聞こえて、拓海は枕元に置いたスマホを手に取ると、電話帳アプリを開いた。  指でなぞって、タップしたのは智裕の番号。   『おかけになった番号は、現在電波の届かない場所におられるか、電源が入っておりません。』  帰宅してから何度もかけた電話。  倒れた後、ベンチに戻ったり円陣にいた姿は確認したが、顔色や表情まで確認出来なかった。テレビ画面を直視することが拓海には出来なかった。  松田母は「本当に悪ければ知らせがくるわよ。来ないなら大丈夫よ。」と笑っていたが、拓海は不安だった。 「そうだ……野村くん。」  甲子園に行く前、保健室を訪ねた野村が「何かあったら連絡できるようにしておきたいんです。主に松田くんのメンタル面で。」と言って拓海は番号を交換していた。

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