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ノムラくんの警告⑤

「理解は出来ない…けど、俺は…智裕くんに……大丈夫だよって…伝えたい…んだよ…。」 『すいません、本当に時間をおいてやって下さい。』 「どうして…どうして⁉︎」 『どうしてもクソもないんですよ!』 「……の、むらく…ごめ、ん……。」  強い口調になる野村に、拓海は謝った。  大きな溜め息が聞こえて、拓海は恐怖で涙腺が崩壊した。 『悪いけど、今の貴方に出来ることなんて何もありませんから。』  現実を鋭く、痛く突かれた。  そして野村は「失礼します。」とだけ挨拶して電話を切った。  ツー、ツー、となる電話口。  拓海は寝室を抜け出し、リビングのソファに顔を埋めて大声で泣いた。

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