574 / 1000
ノムラくんの警告⑤
「理解は出来ない…けど、俺は…智裕くんに……大丈夫だよって…伝えたい…んだよ…。」
『すいません、本当に時間をおいてやって下さい。』
「どうして…どうして⁉︎」
『どうしてもクソもないんですよ!』
「……の、むらく…ごめ、ん……。」
強い口調になる野村に、拓海は謝った。
大きな溜め息が聞こえて、拓海は恐怖で涙腺が崩壊した。
『悪いけど、今の貴方に出来ることなんて何もありませんから。』
現実を鋭く、痛く突かれた。
そして野村は「失礼します。」とだけ挨拶して電話を切った。
ツー、ツー、となる電話口。
拓海は寝室を抜け出し、リビングのソファに顔を埋めて大声で泣いた。
ともだちにシェアしよう!