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ホシノ先生とツワブキさん③
「男⁉︎えぇえええええ⁉︎嫁はんに逃げられてからもう恋愛せぇへんってゆーたで⁉︎しかも男⁉︎なんでや!拓海ホモちゃうで!」
「んなこと知るかよ。」
「止めろ!お前全力で止めろ!まーちゃんの教育上良ぉない!」
「知らねーよ、つーか拓海くんは俺のこと全く覚えてねーから。」
「あああああああ相手の男殺されるで!須磨の海に沈められるって!」
柴原は涙目で裕紀の胸ぐらを掴んで揺らす。裕紀は一層顔をしかめる。
「だーから成海には絶対ぇ言うなよ。」
裕紀が念を押すように言うと、奥の方から別の店員が柴原のことを怒って呼んだので柴原は戻っていった。
ちょっとした嵐が過ぎて行った。
「悪いな、色々と騒いじまって。」
「いえ………なんかもう、泣いてたのバカバカしくなりました。」
「そりゃ良かった。これ以上泣かれたら困るしな。」
「すいません。」
「お前の泣き顔って可愛いからな。」
また揶揄われて、一起は柄にもなく少しだけ頰を膨らませた。
焼きそばをズルズルと食べると、その様子を見た裕紀がまた色っぽく微笑む。
「たくさん食っとけよ。」
「ん……せっかくの大阪ですしね。まぁ…修学旅行でまた来るんですけど…。」
「そうじゃなくてさ。」
裕紀は前に乗り出して一起に囁いた。
「体力、つけとけよ。」
その言葉の意味を理解した一起の顔は熱くなる。鉄板の高温のせいではない。
裕紀から放たれる雄の熱。
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