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熱帯夜と嫉妬①(※)
ホテルに戻るまでの道のりを一起は覚えられなかった。
知らない人だらけの街だからか、人が多いからか、裕紀は指を絡ませて堂々と手を握る。時々動かす感触に、ビクッと肩をすくめてします。
(どうしよう……嬉しい……。)
揺らめく夜の繁華街の光、速く動く群衆、この時間が止まればいいのに、一起は少しだけ願った。
ホテルの部屋に入ると、裕紀は猛獣になった。
まだ鉄板の匂いが微かに残る衣服を剥がされ、ベッドの上に放られる。
一起の上に馬乗りになる裕紀も上半身の衣服を脱ぐことを急 いた。
「せ、ん…せ……。」
「そうじゃねーだろ?」
「……ひろ、き…さん……。」
「よくできました。」
噛み付くようなキスを一起は戸惑うことなく受け入れた。一起も欲していた。
舌を絡ませて、グチャグチャに掻き乱して、互いに熱い吐息と声が漏れる。
裕紀が唇を離すと。
「やだ…。」
一起は裕紀の肩を引き寄せ、下唇と上唇を甘噛みしてまたキスをねだる。
「タバコくせぇの、嫌じゃなかったっけ?」
「メンソールは好きです……。」
おねだりされた裕紀はそれに応えながら、一起のベルトを器用に外してジーパンのチャックを開けて、一起の興奮した象徴を取り出した。
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