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ミズカミくんの宣戦布告②

 先ほどまでの明るい声とは正反対の冷たく刺さる声で吐き捨てたセリフに、拓海は全身が凍ったように動けなくなる。 「どーせ昨日まっつんがダグアウトで倒れたの見てビービー泣いたんだろ?」 (な、なんで…わかるの?) 「あんなプレッシャーの中でやってりゃ力も抜けるのわかるでしょ。それにまっつんと投げ合ったハチローさんは、俺にとってのまっつんのような存在で…まぁ“絶対的ヒーロー”ってやつなんだよ。その人が目の前で降板したら……って、そんなことも知らなかったの?」  暑そうに髪をかきあげながら、睨むようにして拓海を見つめる水上はどんどんと拓海に迫る。 「全神経、全精神、全体力を100球以上の投球に込めてんだ、心身の限界を超えた状態で精神の支柱が無くなるって状況、あんたには分かんないよね?」  後ずさりする拓海は保健室のドアに背が当たり、ジリジリと寄ってくる水上に捕らえられた。  水上の大きな片手で拓海は輪郭を取られ、殺気にも似たような水上の目を見せられる。 「優しくてアホなまっつんだけしか知らないあんたに恋人の資格なんかねーんだよ。」

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