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ミズカミくんの宣戦布告③
図星でもあり、恐怖を感じた拓海は涙を堪えて震えた。そして数秒、その沈黙を反論で破る。
「お、俺は……全部、受け止めている……から…。」
智裕は自分の弱さを恥じて泣いた、本音を隠して気を張ったがそれでも拓海と一緒にいたいと言ってくれた。それら全てを拓海は愛している。
「……ふーん…たったそんな片鱗で、ねぇ……。」
水上は知っている。
国を背負って戦うことの怖さを、智裕がどれだけのものを背負って行くのかも、水上は自らも体験し智裕を見つめていた。
「昨日のまっつんをあんたが支えられるとは思えないね。それとこれからはもっと大変だよ…あんたみたいなのは嫉妬に狂っちまうかもな。」
「え……。」
「俺はもう遠慮しないから。まっつんがどんなにあんたを好きだろうと、正々堂々盗ってやるよ。」
そう言い切ると水上は拓海を解放する。
1、2、3歩下がると、またニコリと笑って「じゃあね、ツワブキせんせ。」とヒラヒラ手を振って去って行った。
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