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ミズカミくんの宣戦布告④
拓海はズルズルとその場で腰を抜かし、我慢していたものがボロボロと溢れてきた。
「う……うぅ……ふう……うぅ……。」
(俺は智裕くんの優しさしか、知らないはずなんか……ない!)
_ハチローさんは、俺にとってのまっつんのような存在で
(ハチローさんって、あの抱きついてた人だよね。それに水上くんは、智裕くんのことを好きになっていて…いて………え、嫌だ。)
_俺が愛してるのは拓海だけって教えてあげるからね。
(俺は智裕くんの言うことを信じたいよ……。)
_松田くんは智裕にとっての憧れっつーか、ヒーロー像なのかもな。
(何にも……知らなかった……違う、俺が…知ろうとしてなかった…向き合っていなかったんだ……。)
_拓海さん……好きだよ。
_やっぱ俺、拓海さんが大好きだなぁ。
_もー好き好き好き!100回言っても足んない!
_俺は拓海さんを甘やかしたーいの。
(傷付けた俺に温かさをくれる智裕くん……なのに俺は、泣くことしか出来ない…もっと君のために出来ることあるはずなのに……君の痛みや苦しみや悲しみを一緒に乗り越えるように向き合わなきゃいけないのに……。)
「と……も、ひ……ろくん……。」
泣き崩れながらも保健室に入っていく拓海を、そっと見守っていた影があった。
「はぁ…野村に連絡すっかな。」
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