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ナインの凱旋①
新横浜駅に到着すると、地元のマスコミや高校野球ファンで溢れかえっていた。緊急で警察も警備で出動している。
「キャアアアア!松田くーーん!」
「トモちーーん!こっち向いてぇええ!」
「堀くんカッコいいーーー!」
「直倫くーーん!キャアアアア!」
「カッコいいよおおお!直倫様ああああ!」
智裕、直倫、堀の3人は特に女性からの黄色い声援が送られる。
「清田あああ!感動したぞおおお!」
「よくやったぞ四高!」
「四高バンザーイ!」
清田はあの負傷ヘッドスライディングで感動を与えていたようでおじさんからの声援が凄まじかった。
四高の部員、特にベンチ入りメンバーはぎこちなく手を振ったり会釈をしながらそれに応えた。
本来ならば電車で駅まで帰る予定だったが、この状況でそうもいかず、昨夜のうちに学校が大型バスを手配しており部員たちは警備に守られながら素早くそれに乗り込んだ。
バスに乗ると、全員気が抜けて「うあああ」とだらしない声を上げる。
「な、何だよあれ……。」
この状況をほとんどの部員は理解出来ずにいた。
負傷している智裕は堀に、清田は今中と監督にそれぞれ支えられながらやっと乗り込む。
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