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ナインの凱旋③
しかし本人以上に追い詰められたような顔をしていたのは直倫だった。隣に座った白崎 がそれに気がついた。
「赤松?」
「………クソッ。」
「……いやいや、お前が悔しがってどうするよ。お前打った方だし、もっと打ってない俺の立場なくなるだろ。」
「俺がもっとしっかり守って打って…ってやれば……清田先輩も松田先輩もあんなにならなかったかもしれないって思ったんです。」
「そっか…お前あの2人と仲良いもんな。まぁもうすぐ夏休み入るし、その間に治るだろ。気にすんなって。」
白崎は「大丈夫だよ」と直倫の肩を叩いて、頭をくしゃくしゃと撫でた。
「うわ!お前短いから分かりづらかったけどめっちゃ髪の毛サラサラじゃん!」
「そうですか?」
「どんだけ完璧なんだよ、ちょっと分けろ!」
後ろから乗り出して白崎と直倫のイチャつきを見た増田は2人を盗撮、それを昨日入った馬橋の女子マネージャーのグループ通信に送信した。
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