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ただいま、ツワブキさん②
「た…くみ……さん……が…。」
「あーあとな、何かお前のファンみてぇな奴に『てめぇは松田の恋人の資格なんかねぇ』とか言われて泣きまくってたぞ。」
「はぁ?」
「10分以内で保健室行け。」
「いや、俺左腕安静に」
「走れこのヘタレ。」
そして宮西は智裕の臀 部を思い切り蹴って、道路に飛び出させる。
智裕は左腕に力が入らなかったのでそのままズサッとコケた。
「おい!何すんだよ!」
「てめーがちんたらしてる間にツワブキちゃん泣いちゃってるかもなー。」
「……くそ!」
「早くしねーと、俺が寝とるぞ粗チンヘタレ。」
「うるせーーーー!絶対お前だけには寝取らせねーからな!」
智裕は宮西の安い挑発に乗って、そのまま学校に向かって全速力で走り出した。
「あー、炎天下の中ご苦労なこって。」
宮西は智裕のバッグをヒョイと持ち、エントランスに入った。
「椋丞くん悪いわねー。」
「いいっすよ……おばさん、あの2人のこと知ってんだ。あいつは知ってるの気付いてないっぽいけど。」
「あの子、ホントに鈍い時は鈍いからねぇ。」
「マウンド降りたら半人前だよなあいつ。」
「言えてるわねー。」
宮西は智裕の母と智裕の家に向かった。
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