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ただいま、ツワブキさん④
愛しい人が振り向く間もなく、智裕はその後ろ姿を力一杯抱き締めた。
先ほどまで全く力が入らなかった左手に、感覚が戻って、抱き締めた感触を智裕は認知する。
(嘘だろ……!さっきまで…全く動かなかったのに……。)
「どうしたの?」「大丈夫?」「ごめんなさい。」、色々と拓海かける言葉を考えていた。
だけど、智裕が選んだ言葉は。
「拓海さん、ただいま。」
智裕が息を整えてから言葉をかけると、涙を流していた拓海が振り向いてきた。
それを拭いたい智裕は、そっと拓海の唇に触れた。
「おかえり、智裕くん。」
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