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アカマツくんの悔恨①

 16時過ぎになって部室の前で部員たちは整列し、森監督の話を聞いた。 「今日までご苦労だった。明日はオフ、そして11日からは夏休みに入る。明後日からは午前中のみの練習とする。11日までの間に1年は最終的に希望するポジションを定め、2年もコンバートを希望するなら考えて置くように。」  はいっ! 「それと3年は明後日の撤収で引退となる。今日まで色々あったが、よく頑張ってくれた。また清田と松田が復帰したら改めて主将の引き継ぎや引退試合を行う。」  はいっ! 「今日明日はしっかり体を休めるように。以上、解散。」  ありがとうございましたー!  森監督が去ると、全員蹴伸びをしたり声をあげたりしてリラックスする。  そんな中、直倫は俯いたまま「失礼します。」と呟いて荷物を提げて帰っていく。  足速に、ズンズンといつもの通学路を久し振りに歩く。  川風が近くなり、熱い風が肌を刺してきて、自宅が近いことが分かる。 「直倫。」  カバンから家の鍵を取り出そうと手を動かした瞬間に名前を呼ばれた。  その声は、2日ぶりに聞く愛しい声だった。

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