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アカマツくんの悔恨⑦

「だから暴走し過ぎなんだよ、このデカマラ絶倫野郎!」 「裕也さんが可愛いんです、仕方ありません。」 「つーか離れろ!暑い!」 「嫌です。離れたくないんで。」 「あれそういう意味かよ!うぜぇぇえええ!」  足腰が立たなくなった裕也は下着だけ身につけ、心地よいベッドに運ばれて、直倫の抱き枕になっていた。 「俺は、もう一度あの場所に松田先輩を連れて行きます。」 「……春のセンバツか…じゃあ秋季大会優勝だなぁ……ギリまでトモもいねーじゃん。」 「だから、頑張ります……松田先輩は俺のヒーローなんで…敗北は似合いません。」 「……ふーん。」 (あのヘタレがヒーローねぇ……。)  少しだけ、面白くないと言いたげな顔になりそうになったので直倫から顔を逸らした。  すると直倫は裕也の左耳にキスをした。 「裕也さんは、俺のディアレストですよ。」 「……なにそれ?」  裕也は「インテリぶってんじゃねぇ」と文句を言おうと振り返ると、直倫は顔をキスの距離まで近づけて。 「最愛の人、ですよ。」 (今の俺に、裕也さんと離れる選択肢は……存在しない。)

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