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ピアス④

 30分後、ピアッサーと消毒液、綿棒、コットンが用意されて智裕は耳を氷嚢(ひょうのう)で冷やしていた。 「で、感覚なくなったら消毒してこれでバチコンやるだけだから。」 「お、おう。」 「あ、もうビビってるぞトモ。」 「そろそろいくか。」  宮西はゴム手袋をはめて、両手を顔の位置に上げる。  裕也も悪ノリで同じようなポーズをする。 「これより貫通の儀を執り行います。」 「先生、よろしくお願いします。」 「ちょっと待って!何⁉︎オペ⁉︎」 「はい松田さーん、お耳をこちらに近づけてくださーい。」  宮西は片手で智裕の頭を自分の方に引き寄せる。 「マキ●ン。」 「はい。」  裕也が消毒液を染み込ませたコットンを宮西に渡す。宮西は智裕のに丹念に塗る。 「ピアッサー。」 「はい。」 「汗。」 「はい。」 「汗関係ねぇだろ!」 「痛くないでちゅよー。」  智裕はガタガタ震えながら宮西のシャツにしがみつく。

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