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ピアス⑤

 バシッ 「あ……ん…。」  貫通した瞬間、智裕は甲高い吐息を出した。 「さすがドM、いい声出すじゃねーか。」 「痛ぁ……ジンジンするぅ…。」 「大竹、綿棒にマキ●ン。」 「ほいほーい。」  消毒液をたっぷりと染み込ませた綿棒でピアスの周りを消毒する。  そこにまた染みる痛みで智裕は宮西にしがみつく。 「うぁ…いたぁ……あん。」 「キモいドM、死ね。」 「だって痛ぇんだもん!はぁ……で、これどうすりゃいいの?」 「1ヶ月くらいはそのままで、風呂上がりとかしっかり乾燥させて消毒しろよ。」 「はぁい。」  そして翌日、登校すると知識の泉でもある江川に指摘される。 「松田…右だけに開けたのか?」 「宮西に開けてもらったからな。」 「男が右にピアス1個って、ゲイって意味だからな。」 「……………はぁ⁉︎」 「まぁ日本じゃあまり知られてないと思うけど、その耳で海外行ったらヤバいからな。」 「ちょちょちょ!俺ドMだけど至ってノーマルだって!セクシーお姉さん大好きだけどお兄さんはダメなんだって!助けてぇぇぇ江川っちー!」 ――回想終了

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