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マツダくんの部屋①

(なんということでしょう。) 「智裕くん、意外とちゃんと片付けてるね。」 「へ、へ、部屋が、せ、狭いからかな?」 (大天使様が、我が4畳半の極狭空間に降臨なされている。) ***  今日は学校が夏休みで拓海も早く仕事が終わったので早く帰れることになった。  智裕も部活があったが、大会直後なので軽い身体慣らし程度で終了した。  そしたら2人は同じくらいの時間に校門でバッタリ会って、智裕は一緒に帰っていたのが野村と直倫だったので、気を利かせた2人がとっとと退散。  そして初めて2人で家路につく中、他愛ない会話だった。 「たまには智裕くんの部屋……入ってみたいな。」  智裕は考えた。両親は仕事でいない、そして弟は宮西一家と昨日から海へバカンス、つまり家には夜まで誰もいない。そして拓海も茉莉(マツリ)のお迎えは夕方、今は正午前。 ( 完 璧 ☆ ) 「部屋、狭いけど……いいの?」  一応それとなく拓海に聞いてみた。  ついでに言うと智裕の部屋のクーラーは少し古くてあまり効かない。そのシチュエーションを妄想しただけで智裕の熱は上昇する。  拓海は頬を赤らめて、少し俯いて返事をした。 「い、いい、よ。」  そして智裕は考えた。 (まだ…部屋にアレあるよな……あ、ティッシュも。)  汗で衣服が肌に張り付く拓海の姿だけで既に限界突破していた。

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