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花火大会の日①
「ぺたぁ!ぱぱー!」
「はい、まーちゃん、♪ぺったんこー」
「ぺー!」
拓海の夏休み最終日、この日は地元の花火大会で智裕といつものメンバー(裕也、宮西、里崎、高梨、野村、増田)に誘われて花火の時間まで1番川沿いにある里崎の家で寛いでいた。
茉莉はお盆に拓海の実家で教えてもらったという「ぺったんこ」という歌にハマったらしく、父親に頬の「ぺったんこ」を要求していた。
「あぁ…ぁぁぁ…かわ、可愛すぎる…。」
「ぺったんこ最強……うはぁ…。」
「あー、心が洗われる。」
「微笑ましい親子のコミュニケーションだね。」
「ぺったぁ!ねーね!」
茉莉は今度は高梨のもとに駆け寄って「ぺったんこ」を要求してきたので、高梨はニコニコしながらそれに応えた。
「茉莉ちゃんにぃ…♪ぺったんこー」
「ぺたぁ!」
「ねーねー茉莉ちゃん、とーとにもぺたぁして。」
「とーと、やぁ!」
調子に乗った智裕は茉莉にフラれた。
「いっ、1歳にフラれてやんのー!」
「さ、さすが…ま、智裕…ブブッ!」
「…いや、可哀想だから笑わな……プッ!」
「茉莉ー、この椋丞 にーたんのところにおいで。」
「うー!ぺったぁ!」
「何で宮西はいいんだよ!……くっそぉ。」
智裕は涙目になりながら、拓海を強引に抱き寄せて自分の脚の間に座らせた。
「拓海さんとぺったんこするからいいもん!」
「ちょ…っと、みんないるのに…。」
(なんかアレ以来、拓海さんの頸 とか見ると……いけないスイッチが…。)
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