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アカマツ兄弟と海の景色③

 バスを乗り継いで市内の海辺に辿り着くが、キラキラと目立つ赤松兄弟は多くの人に囲まれた。  やっと2人で静かになったのは到着してから1時間以上経ったあとだった。  2人は本当に人気の無い砂浜でキャッチボールを始めた。 「直倫、どうして僕のスプリットを打てたんだい?」  パシッ 「えっと…俺のバッティングピッチャーを松田先輩がしてくれてました。」  バシッ 「そっか、やっぱり甘かったか?」  バシッ 「すいません。四高(俺たち)には、甘く見えました。でも普通だったら十分通用すると思います。」  バシッ 「ありがとう!…直倫、僕は今決めたよ。」    直能はボールを投げずに、直倫に一杯の笑顔を向けた。 「僕は、中条(ちゅうじょう)大学に行く!」

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