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マツダくんのデブエット作戦(11)

 解散して智裕と別れ、水上と和佐は電車に乗って練習場に向かっていた。 「蓮、いいの?」 「何が?」 「日本代表の件、まだ決めてなかったんじゃないの?」 「いいよ。死ぬわけじゃないんだし、また会えるよ。」 「……強がりね。」 「うるせーよ。俺は負けず嫌いなの、これくらいのハンデ背負ったところで負けるつもりねーから。」  水上はつり革を力強く握りしめて、電車が進む反対方向を見つめた。 「おっも!うわー、私絶対こんな男無理ー。つーか敵対視されてる人かわいそー。」 「だからうるせーよババア。」  悪態をつくと、和佐に思いっきり膝裏を攻撃された。

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