730 / 1000
マツダくんと戦友⑤
(どうにか目が覚めた)智裕は係員に誘導されて席に座った。
智裕の隣は八良だった。野手は捕手の後藤と畠が隣り合って並んだ。
「八良先輩…俺は夢を見ていたんですか。由比投手が俺の右手に握手をしてくれたんですけど。」
「おうトモちん、それは夢やなかったて明日ネットニュースに載るから安心せぇ。」
「さいですか…。」
(由比コーチ、色んなとこで1番期待しとるんがトモちんやって明言しとったな。スプリットとかフォークのあの落ち方は外国人に有効なんはわかるけど……なぁんかそれだけやなさそうな…。)
小さいステージにホテルマンに先導されたU-18の監督、コーチ陣が登壇した。
途端に選手たちの後ろにいたマスコミのカメラが一斉にフラッシュをたきだした。
バシャ バシャ バシャ
智裕たちもこの夏に何度も向けられた眩 い光は未だに慣れることはなく、多くの選手がギュッと目を瞑 ってしまう。
『本日はお忙しい中、U-18日本代表決起集会にお越し頂きありがとうございます。まずはU-18強化部長の…。』
司会の男性が淡々と進行していく。
智裕たちも知らないようなお偉いさんたちが挨拶を終えると、次に智裕たちが今後関わっていく監督とコーチたちの挨拶になる。
ともだちにシェアしよう!