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マツダくんと戦友⑦
決起集会が終わると、選手達は別の部屋に案内された。
「この後、公式用の写真撮影に入ります。上半身だけアンダーシャツに着替えて順番が来るまで待機して下さい。」
係員がそう指示をすると、一斉に制服からアンダーシャツに着替え始めた。
その間、智裕はチラチラと他の選手の身体を観察した。やはり断トツで仕上がっているのは中川と八良だった。
「まっつん、何ボーッとしよん?」
すぐ隣で着替えていた後藤が不思議そうに声をかけてきた。
「いや…シュンちゃん先輩の身体すげーなーって。」
「あー…もうあいつ93、4kgはあるばい。」
「マジっすか!」
「プロに入ったら100kg超えるんやねーかな。まーだまだ未完成やけん……ってまっつん、えっらいガリガリやね。」
智裕を指摘する後藤は仏顔に相反して、肩周りと太ももがパンパンに仕上がっている。
「あの…後藤さんは何kgなんですか?」
「180cmの90kgやけど、まっつんは183cmん72kg前後っちとこやろ?」
「すげー!何でわかるんですか!」
「けど四捨五入して80kgはねぇとっち言われるっちゃねえか?まっつんの神様から。」
「ああ…やっぱりですよね……。」
少しフィットしないアンダーシャツを着て智裕は落ち込みながら呼ばれるのを待った。
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