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夏休み閑話【入れ替わってる?】(14)
そしてなんやかんやで翌日元に戻った2人。
裕也は直倫に対してしばらく人馴れしていない野良犬のように警戒し続けた。
「半径3m以内に近づくんじゃねー!」
「どうしてですか?俺たち恋人同士ですよね?」
「お、お、お前…な、直倫じゃねーだろ!俺に触っていいのは直倫だけなんだよ!バーカ!」
「だから俺は直倫ですって!裕也さん!」
そして宮西家では女性陣が悲しみに暮れた。
「あーあ……にーちゃんがクズになった。もっかい宇宙人こないかなぁ。」
「あ?宇宙人?何の話だ?」
「ほんと、宇宙人来ないかしら……あの可愛い椋丞を返してっ!」
「いや、こっちが本物だから。現実見ろやババア。」
「ああ⁉︎お母さんって呼びなさい!もしくはお母様!」
「うるせーババア、さっさと食えよ。」
「ユメ、こんなにーちゃんきらーい!」
「おれもきらーい!」
「俺も嫌ーい。」
「私もきらーい。」
「ババアきもい。」
「はぁ⁉︎」
宮西家には平穏が訪れなかった。
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