761 / 1000

今日から2学期の第四高校③

 朝、続々と教室にクラスメートが登校してくる。智裕と野村と増田が固まって雑誌を読んでいたら、自然と人が集まり出した。 「高校野球大好き女子1000人に聞きました♪恋人にしたい高校球児ランキング☆…ねぇ。」 「1位、馬橋(まはし)学院3年・松田八良(ハチロー)クン。」 「2位、馬橋学院3年・中川(なかがわ)駿太(シュンタ)クン。」 「3位、聖斎(せいさい)学園3年・赤松直能(ナオタカ)クン。」 「4位、第四高校1年・赤松直倫クン。」 「5位、隈筑(くまちく)中央3年・後藤(ごとう)礼央(レオ)クン。」 「トップ5中3人は10月にアメリカ・フロリダで開催される『U-18世界選手権』に出場する日本代表選手………だってさ、智裕。」  女子たちが嫌みたらしく音読するランキング結果に智裕は大ダメージを受けた。 「あ、でもほら、こっちのカッコよかった場面ランキングの5位!『第四高校エース・松田智裕、神奈川県大会決勝戦で圧倒的な完封勝利』だって!」  心の優しい女子生徒がフォローしてくれ、智裕の顔がパアッと明るくなった。 「涙したランキング、3位に『第四高校の要・清田恭介(キョースケ)、決死のヘッドスライディングで負傷退場』…惜しくもランク外で『第四高校エース・満身創痍で無念の降板』……。」 「胸キュンした場面ランキング、1位は『赤松兄弟、弟が兄を超えた瞬間、兄から人生初のホームラン』だって。」 「なぁなぁなぁ!俺めっちゃ頑張ったんだけど!甲子園の後から病院行ったくらいボロボロになったんだけど!何がダメなの⁉︎」  智裕は半泣きになりながら訴えた。そして女子たちは真っ直ぐ智裕を見ながら答えた。  顔でしょ。

ともだちにシェアしよう!